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# ノエトラとは何か——日本がフィジカルAIの勝機を託す44社連合
- URL: https://www.theaitimesjapan.com/what-is-noetra/
- Published: 2026-08-11T21:00:53.000Z
- Updated: 2026-08-24T12:55:51.000Z
- Description: ソニーグループ、ソフトバンク、NEC、ホンダなど日本を代表する企業を中核に、44社が出資する会社がある。設立からまだ半年あまり。国産フィジカルAIの本命、ノエトラ（Noetra）だ。誰が何を作り、どう動かすのか。そしてなぜ、日本の勝機はここにあるのか。
- Author: THE AI TIMES JAPAN
- Tags: フィジカルAI, スタートアップ, ピックアップ, ノエトラ

> **この記事のポイント**  
>  
> ① ノエトラは2026年1月設立の国産AI基盤モデル開発会社。ソニーグループ・ソフトバンク・NEC・ホンダを中核に44社が出資し、AIを「作る側」と「使う側」がひとつの資本に揃う。7月1日に事業を開始し、NEDOの基盤モデル開発事業「FRONTia（フロンティア）」にも採択されている。国は同事業に2026年度予算で3,873億円を計上した  
>  
> ② 計画は3段階。まず日本語で高度な推論を行うAI（2026年度から）、次に画像や動画、音声まで扱うAI（2028年度）へと進み、2030年度にロボットや機械の頭脳になるAIの実現を目指す。米エヌビディアの次世代GPU「Rubin」約2万7,500基の計算基盤を2028年6月に稼働させる  
>  
> ③ 機械を動かす「フィジカルAI」の学習に必要な制御などのデータは、現場の外にほとんど出ない。日本は世界2位のロボット市場で約45万台の産業用ロボットが働き、作る側でも日本勢が売上高の6割超を占める。ノエトラは、この世界有数の持ち場で勝負に挑む

## ノエトラとは何か

ノエトラ（Noetra）は、ソニーグループ、ソフトバンク、NEC（日本電気）、ホンダ（本田技研工業）の4社を中核に日本の44社が出資し、ロボットや機械を実世界で動かすための「フィジカルAI」向けの国産マルチモーダル基盤モデルを開発する企業だ。

設立は2026年1月7日。当初の社名「日本AI基盤モデル開発」を6月に改め、7月1日に渋谷で事業を開始した。同社が掲げるのは、日本の産業や社会の変革を支える「信頼されるAIインフラ」の実現だ。開発したモデルは自社で抱え込まず、国内の企業や開発者に広く提供し、各分野に特化したAIの開発を後押しするという。

6月30日には、NEDO（新エネルギー・産業技術総合開発機構）の「AIロボット・フィジカルAIを見据えたマルチモーダル基盤モデル開発事業」に、15件の応募の中から産業技術総合研究所（産総研）とともに採択された。2031年3月までの国家プロジェクトだ。この事業は「FRONTia（フロンティア）」の名で始動し、国は2026年度予算に3,873億円を計上している。

44社の資本と、国家プロジェクトの看板——つまりノエトラとは、AIが世界の産業地図を描き替えるなかで、日本の産業界と国がフィジカルAIに勝機を託した、その器である。

## 経営は通信・IT・モビリティの布陣

同社代表取締役社長の丹波廣寅氏は、ソフトバンクの常務執行役員を兼ね、次世代社会インフラ構想を推進してきた。2026年2月までは国産LLM（大規模言語モデル）開発のSB Intuitionsの社長も務めた。

取締役には、NECで大規模システム開発を指揮し、執行役員などを歴任した福岡俊一氏と、HondaJetとF1の空力を磨き、空力・動力性能領域を統括した小川厚氏が就く。通信、IT、モビリティ——AIを実世界に持ち出すための3つの現場が、経営陣の段階でそろい踏みだ。

モデル開発を率いるのは、Preferred Networks（PFN）共同創業者で代表取締役社長の岡野原大輔氏だ。体制は、出資の中核4社に加えて、産総研やPFNなどから参画する技術者を軸に組む。

ノエトラの丹波社長は、7月16日の本格始動にあたり「日本がフィジカルAI分野で世界をリードしていくためには、日本の産業競争力を支え、社会課題の解決や新たな価値創出を可能にするマルチモーダル基盤モデルが必要」と指摘する。

## 「作る側」と「使う側」が同じ資本に

出資企業の顔ぶれからは、AIを「作る側」と「使う側」を、最初からひとつの資本で束ねる意図が見える。

作る側には、Sakana AI、PFN、松尾研究所——国産AI研究の看板プレイヤーが名を連ねる。計算基盤を支える側として東京エレクトロン、村田製作所、そして電力のJERA。最も厚いのが使う側で、ファナック・安川電機・DMG森精機・オークマ・ヤマザキマザックの工作機械・ロボット勢、日本製鉄・JFEスチール・神戸製鋼所の鉄鋼、鹿島建設・大和ハウス工業、物流のSGホールディングス、さらに3メガバンクと生保・損保まで並ぶ。

フィジカルAIの学習には、工場や建設現場、物流網といった「現場データ」が要る。そこには、実世界で機械を安全に動かすための知見も含まれる。その供給元と、できあがったAIの導入先が、最初から株主として揃っている。

## 2030年度、実世界で動くAIへ

計画は3段階に分かれる。まず2026年度から、日本語理解・論理推論・指示遂行を備えた「推論基盤モデル」を構築する。2028年度には言語・画像・動画・音声を統合的に処理する「オムニモーダル基盤モデル」へ拡張。

そして2030年度に、空間や物の動きといった実世界までを母語のように扱う「実世界ネイティブAI」の実現を目指す。成果は年度ごとに公開し、学習済みモデルは条件を満たす事業者に提供する方式をとる。

計算基盤も規模が大きい。エヌビディアと協力し、次世代のGPU（画像処理半導体）「Rubin」約2万7,500基を搭載。2028年6月から稼働させる。

生成AIは、言語の世界を一変させた。フィジカルAIは、その先の実世界に踏み出し、機械を動かす。ノエトラが目指すのは、工場のロボットや建設現場の重機、道路を走るクルマなどの頭脳になるAIということだ。

## 勝機は現場にある

フィジカルAIの行方は、機械と現場が生むデータと、それを実装する産業の厚みで決まる。生成AIは世界中にあふれる文章から学べたが、機械の制御や触覚といったデータは、現場の外にほとんど出ない。

日本は、その現場を世界有数の規模で持つ。産業用ロボットの導入は世界2位で、約45万台が稼働する（2024年、国際ロボット連盟の統計）。機械が日々働く工場や建設の現場、物流網などが国内に広がり、データはそこで生まれ続ける。

機械を作る側も強い。2022年のNEDOのデータでは、産業用ロボットの売上高で日本勢が世界の6割超を占める。その中心を担うファナック・安川電機などから、機械を使う鉄鋼や建設、物流といった大手までが、この44社に含まれる。フィジカルAIは、これらの持ち場がそのまま生きる土俵だ。政府は7月に閣議決定した日本成長戦略で、フィジカルAIへの官民投資を2040年度までに10.5兆円と想定する。

この見立ては、日本だけのものではない。エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは、7月16日に東京で開かれたFRONTiaの発表イベントで特別講演に立ち、「フィジカルAIは次の産業革命の基盤であり、その未来は日本で築かれるべき」と述べた。

労働力不足が課題となっている日本は、この技術を切実に必要とする国でもある。ノエトラはその舞台に、44社の連合で臨む。日本のフィジカルAIがどこまで行けるのか——答えは、現場から返ってくる。

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