Sakana AI、自己改善型AIの研究を強化——先駆者のシュミットフーバー氏が参画
AIスタートアップのSakana AIは、「現代AIの父」とも呼ばれるユルゲン・シュミットフーバー氏を迎えた。同氏は同社の研究グループで、AIが自らを改良し続ける研究の指導に携わる。
Sakana AIは、スイス人工知能研究所(IDSIA)の科学ディレクターなどを務めるユルゲン・シュミットフーバー氏を、現職との兼任でチーフ・サイエンティフィック・アドバイザーに迎えた。同氏は東京を定期的に訪れ、同社が6月に新設した研究グループ「RSI Lab」で研究の指導に携わる。
RSIは「再帰的自己改善」の略。AIが自らを改良し、賢くなったAIがさらに次の改良を進める。この繰り返しで、AIの能力を高め続けることを目指す。シュミットフーバー氏は1987年の学位論文でAIが自らの学び方を改善していく仕組みを構想し、以来この研究を続けてきた。
AIのモデル開発の成否は、研究者の力量に負うところが大きい。Sakana AIは、同氏の基礎研究をもとに「世界モデル」の開発を進める。世界モデルはAIが周りの世界の動きを予測する仕組みで、同社はロボットなどを実世界で動かすフィジカルAIへの応用を見据える。
RSIの分野では、同社はすでに英オックスフォード大学やカナダのブリティッシュ・コロンビア大学と共同で、研究の着想から実験、論文執筆までを自動でこなすAI「The AI Scientist」を開発している。同AIが書いた論文は2025年、AI分野の主要な国際会議「ICLR 2025」のワークショップで査読を通過した。