日本のAIサプライチェーン30社の給与ランキング——25社が増加、1,000万円以上は13社
日本のAIサプライチェーンを担う国内上場30社について、平均年間給与をランキングにした。首位はキーエンスの2,178万円、2位はディスコの1,880万円。1,000万円以上は13社。30社のうち25社で前年から給与が増え、上げ幅が10%を超えたのは6社だった。
この記事のポイント
① 30社のうち25社の平均年間給与が前年から増加した。1,000万円以上は13社。首位はキーエンスの2,178万円で、2位以下にはディスコ、レーザーテック、東京エレクトロンと半導体装置の各社が並ぶ
② 上げ幅が10%を超えたのは、キオクシアホールディングス、ディスコ、東京応化工業、ダイフク、TDK、レゾナック・ホールディングスの6社。うち5社は直近の通期決算で過去最高益だった。AI関連の需要を好業績の要因に挙げる会社はサプライチェーンの広い範囲に及ぶ
③ 各社で年齢構成や賞与制度などの諸条件が異なるため、金額の多寡だけで比べると読み違える。表の数字は有価証券報告書を提出する会社単体のもので、子会社を含むグループ全体の水準とは限らない
対象と集計
半導体や電機、機械、材料、電線、ITサービスなど、日本のAIサプライチェーンを担う国内上場企業のうち30社を対象にした。数字は各社が直近に提出した有価証券報告書に基づく。役員報酬は含まない。
ランキング(30社)
| 順位 | 社名 | 給与(万円) | 前年比 | 年齢 | 従業員(人) | 決算期 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | キーエンス | 2,178 | +6.8% | 35.0 | 3,306 | 2026/3 |
| 2 | ディスコ | 1,880 | +12.4% | 37.2 | 3,687 | 2026/3 |
| 3 | レーザーテック | 1,681 | +2.6% | 40.1 | 516 | 2025/6 |
| 4 | 東京エレクトロン | 1,380 | +1.9% | 43.1 | 2,309 | 2026/3 |
| 5 | ソフトバンクグループ※ | 1,320 | −3.2% | 41.2 | 276 | 2026/3 |
| 6 | キオクシアホールディングス※ | 1,307 | +13.8% | 46.2 | 140 | 2026/3 |
| 7 | ソニーグループ※ | 1,155 | +3.3% | 42.7 | 2,166 | 2026/3 |
| 8 | ファナック | 1,144 | −1.7% | 40.0 | 4,842 | 2026/3 |
| 9 | レゾナック・ホールディングス※ | 1,132 | +10.3% | 46.3 | 346 | 2025/12 |
| 10 | アドバンテスト | 1,098 | +4.6% | 45.7 | 2,033 | 2026/3 |
| 11 | SCREENホールディングス※ | 1,080 | +1.7% | 42.0 | 653 | 2026/3 |
| 12 | NTT※ | 1,056 | −1.2% | 41.4 | 2,606 | 2026/3 |
| 13 | 富士通 | 1,012 | +9.0% | 42.7 | 32,224 | 2026/3 |
| 14 | 日立製作所 | 995 | +3.5% | 42.2 | 25,934 | 2026/3 |
| 15 | NEC | 994 | +3.2% | 43.1 | 21,934 | 2026/3 |
| 16 | パナソニックホールディングス※ | 988 | +3.0% | 44.1 | 1,431 | 2026/3 |
| 17 | 東京応化工業 | 973 | +12.4% | 41.0 | 1,555 | 2025/12 |
| 18 | ソシオネクスト | 959 | +3.6% | 50.6 | 2,111 | 2026/3 |
| 19 | フジクラ | 935 | +7.8% | 43.4 | 2,333 | 2026/3 |
| 20 | TDK | 921 | +11.0% | 43.0 | 6,573 | 2026/3 |
| 21 | ダイフク | 918 | +11.5% | 42.0 | 3,858 | 2025/12 |
| 22 | AGC | 905 | +1.9% | 43.4 | 8,122 | 2025/12 |
| 23 | 信越化学工業 | 899 | +2.6% | 40.8 | 4,059 | 2026/3 |
| 24 | 住友電気工業 | 896 | +5.4% | 43.2 | 7,209 | 2026/3 |
| 25 | オムロン | 888 | +8.3% | 45.0 | 3,855 | 2026/3 |
| 26 | 安川電機 | 860 | −1.1% | 42.7 | 3,114 | 2026/2 |
| 27 | 村田製作所 | 838 | +4.4% | 40.5 | 11,174 | 2026/3 |
| 28 | SMC | 780 | −8.6% | 41.0 | 6,560 | 2026/3 |
| 29 | イビデン | 766 | +4.1% | 40.2 | 4,036 | 2026/3 |
| 30 | 古河電気工業 | 749 | +7.3% | 43.4 | 4,009 | 2026/3 |
※は持株会社単体の数字
AI需要の高まりが給与にも反映
前年からの上げ幅が最も大きかったのはキオクシアホールディングスの13.8%で、ディスコと東京応化工業の12.4%、ダイフクの11.5%、TDKの11.0%、レゾナック・ホールディングスの10.3%が続く。うち5社は、直近の通期決算で過去最高益だった。
半導体製造の後工程で切断や研削する装置を手がけるディスコは、前年から208万円増の1,880万円。AIの需要拡大でデータセンター向け投資が広がり、同社の売上高は6期連続で過去最高を更新している。東京応化工業は866万円から973万円、ダイフクは823万円から918万円、TDKは830万円から921万円へ増えた。
電線ではフジクラが7.8%増、古河電工が7.3%増、住友電工が5.4%増と、3社そろって水準を切り上げた。データセンターをつなぐ光ファイバーや光配線の引き合いが、AI需要の広がりとともに強まっている。
富士通は83万円増の1,012万円で、1,000万円の大台に乗せた。半導体の検査装置を手がけるアドバンテストは4.6%増。AI向け半導体の伸びが、検査装置の需要を大きく膨らませた。
総合電機では、日立製作所995万円、NEC994万円、パナソニックホールディングス988万円と、3社がほぼ同じ水準に並んだ。いずれも前年から3%台の増加だった。
東京商工リサーチが8月に公表した2025年度決算の調査では、上場企業3,123社の平均年間給与は778万7,744円。1,000万円以上の会社は139社で、全体の4.5%にとどまる。今回のランキング30社の単純平均は1,090万円、中央値は991万円と、上場企業の中でも水準は高い。
好業績の要因にAIを挙げる会社は、サプライチェーンの広い範囲に及ぶ。AI需要は業績にとどまらず、給与の数字にも表れている。