トヨタ、ロボットを新たな事業の柱に——強みは60工場の現場データとAI

2026.11.06

トヨタ自動車は、ロボットを新たな事業の柱に育てる道筋を示した。2027年1月に全社直轄の組織を立ち上げ、自社グループや仕入先の工場での導入を足場に、ほかの製造業や家庭向けなどへ広げる。

THE AI TIMES JAPAN 2026.11.06 05:00 3 min read
トヨタ、ロボットを新たな事業の柱に——強みは60工場の現場データとAI

トヨタ自動車は11月5日の決算発表で、ロボット事業の売り上げを2030年以降に着実に伸ばしていく方針を示した。2027年1月1日付で全社直轄の組織「トヨタロボティクス」を新たに立ち上げ、社内に分散するロボット関連の人材や知見を集める。トップには、執行役員で最高生産責任者(CPO)の志賀武文氏が兼務で就く。

出発点は、自社グループや仕入先の工場だ。トヨタは、これらの工場には古い設備の更新で年1兆円規模の投資需要があるとみる。2028〜40年に、トヨタ・グループで15万台、仕入先で25万台、計40万台のロボットの導入を想定する。実績を積んだうえで、ほかの製造業や家庭向けなどへ広げる。

同社は、AIやロボットは人を置き換えるのではなく、人の能力を広げるためにあると説明する。工場で目指すのも、熟練者の技を学び、人と並んで働くロボットだ。

強みには、世界60工場で1万8,000人の熟練技能者が日々改善に取り組む現場のデータなどを挙げる。その技能をロボットに効率よく覚えさせるAIを使うほか、自動運転の技術開発で培ったソフト基盤「Arene」の知見もロボットに生かす。

社外の技術も取り込む。AIやロボット、先端半導体などのスタートアップに、複数のファンドを通じて約5,100億円の資金枠で投資しており、協業先はすでに100社を超える。見いだした成果を自社の技術と組み合わせる。

4〜9月期の連結決算(国際会計基準)は、売上高に当たる営業収益が前年同期比9.5%増の26兆9,624億円、営業利益が同9.2%増の2兆1,911億円だった。トヨタは、為替や関税の影響の軽減などが増益につながったとした。販売台数もハイブリッド車を中心に底堅く推移した。

2027年3月期通期の営業利益は、従来予想の3兆4,000億円から3兆9,000億円に引き上げ、前期比3.6%の増益を見込む。