AI半導体、複雑になるほど増える「検査」——アドバンテスト、今期純利益倍増へ

2026.10.29

AI半導体は、構造が複雑になるほど出荷前の検査が増える。半導体の検査装置(テスター)大手アドバンテストの2026年7〜9月期決算は、売上高、営業利益とも四半期として過去最高だった。同社はAI関連の半導体市場がスーパーサイクルを超える「メガサイクル」とも呼べる局面にあるとみる。

THE AI TIMES JAPAN 2026.10.29 11:00 3 min read
AI半導体、複雑になるほど増える「検査」——アドバンテスト、今期純利益倍増へ

AI半導体は、出荷前に検査装置(テスター)という「関所」を通る。テスター大手のアドバンテストは、需要が伸びる理由を2つ挙げる。生産される半導体の数が増えていることと、世代が進むごとに半導体が複雑になり、1個あたりの検査が増えていることだ。

AI向けの半導体は、複数のチップを立体的に積み重ねる3Dパッケージ化などで構造が複雑になり、1個あたりの検査時間が延び、検査の工程も増えている。

同社が10月28日に発表した2026年7〜9月期決算は、売上高が前年同期比1.8倍の4,777億円、営業利益が同2.5倍の2,668億円で、いずれも四半期として過去最高だった。

画像処理半導体(GPU)などを検査する、主力のSoCテスターの売上高は3,533億円で、4〜6月期から36%増えた。GPU向けが高い水準を保つなか、生成AIなどの利用が増え、推論の計算をより安く処理できる専用の半導体(ASIC)や、全体の段取りを受け持つCPU向けも伸びた。

同社はSoCテスターの世界シェアを2025年に66%と推定し、将来は70%を超える道筋が見えているとする。2026年のSoCテスター市場については、予測の幅の上限に近い115億ドル(約1兆8,000億円)程度と見込む。

半導体の市場は、これまで数年ごとに好況と不況を繰り返してきた。好況が長く続く局面は「スーパーサイクル」と呼ばれる。グループ最高経営責任者(CEO)のダグラス・ラフィーバ氏は決算説明会で、AI関連の半導体市場が、それを超える「メガサイクル」とも呼べる高成長の局面にあると説明した。

半導体の供給が需要に追いつかない状態は、当面続く見通しだ。同社は、地政学的なリスクや景気の変化を除けば、27年も続くと予想する。半導体メモリーでは、韓国SKハイニックスが同日、30年まで続くとの見方を示した(関連記事:SKハイニックス、27〜28年の生産の半分超が契約済み——売上高4.3倍、営業利益率80%)。半導体の生産量が増加すれば、検査に使うテスターも増やす必要がある。

アドバンテストは通期の業績予想で、売上高を前期比65%増の1兆8,630億円、営業利益を94%増の9,670億円、純利益を98%増の7,415億円に引き上げた。純利益は期初の4,655億円から2回の上方修正を経て、倍増の水準に達した。SoCテスターの生産能力を年1万台に増やす目標も、当初の計画から大幅な前倒しでの達成を目指す。最大2,800億円の自社株買いと、中間配当の増配を決めた。