サムスン電子、営業利益12.7兆円の99%が半導体——メモリー不足、27年はさらに強まる見通し

2026.10.30

韓国の電機大手サムスン電子の7〜9月期決算は、営業利益の99%を半導体部門が占めた。AI向け需要の高まりで主力のメモリーが値上がりし、増収分の大半が利益に回った。同社は、27年にメモリーの供給不足がさらに強まるとみる。

THE AI TIMES JAPAN 2026.10.30 13:00 3 min read
サムスン電子、営業利益12.7兆円の99%が半導体——メモリー不足、27年はさらに強まる見通し

サムスン電子が10月29日に発表した2026年7〜9月期決算は、売上高が前年同期比2.3倍の約195兆3,000億ウォン(約23兆円)、営業利益が8.8倍の約107兆4,000億ウォン(約12兆7,000億円)、純利益が約75兆1,000億ウォン(約8兆9,000億円)だった。いずれも四半期として過去最高となった。

主力のメモリーを含む半導体部門の営業利益は、前年同期比15.2倍の約106兆5,000億ウォンで、全社の99.2%を占めた。同部門の売上高営業利益率は72%に達した。スマートフォンや家電などを手がけるDX部門は、約8,000億ウォンの営業赤字だった。

売上高は前年同期から約109兆ウォン増えたのに対し、製造にかかる費用(売上原価)の増加は約7兆ウォンにとどまった。増加した売上高の約9割が、営業利益の上積みになった計算だ。

同社は増益の理由に、メモリー価格の上昇を挙げる。AIの利用拡大で、サーバー向けを中心にメモリーの需要は強まっている。

一方、製造工程が複雑なメモリーほど生産に時間がかかり、工場の新設にも年月を要するため、供給の伸びは限られる。需給の逼迫が、メモリー価格を押し上げている。

サムスン自身も7〜9月期の設備投資を前年同期比3.2倍の約29兆ウォン(約3兆4,000億円)に増やし、26年通年では約84兆4,000億ウォン(約10兆円)を見込む。ただし、新たな供給につながるのは先になる。同社は、27年の供給不足が26年よりさらに強まる可能性が高いとの見通しを示した。

同業の韓国SKハイニックスも、メモリーの需要が供給を上回る状態が2030年まで続くとみる(関連記事:SKハイニックス、27〜28年の生産の半分超が契約済み——売上高4.3倍、営業利益率80%)。

サムスンのメモリー事業は、計算中のデータを一時的に記憶するDRAMと、データを長く保存するNAND型フラッシュメモリーが柱だ。7〜9月期は、DRAMを積み重ねて製造するHBM(広帯域メモリー)のうち、「HBM4」の販売を大きく伸ばしたという。

台湾の調査会社トレンドフォースによると、サムスンは4〜6月期の世界シェア(売上高ベース)で、DRAMが39.4%、NAND型フラッシュメモリーが29.3%と、いずれも首位だった。2位はともに、SKハイニックスだった。

サムスンは10〜12月期、NAND型フラッシュメモリーを組み込んだ大容量の記憶装置(SSD)の供給を増やす方針だ。個人向けのエージェントAIの広がりで、需要が急増しているという。自ら考えて仕事をこなすエージェントAIは、動けば動くほどデータを読み書きし、その置き場所としてSSDを多く必要とする。