
SKハイニックス、27〜28年の生産の半分超が契約済み——売上高4.3倍、営業利益率80%
2026.10.28メモリー大手の韓国SKハイニックスは、主要顧客14社との長期契約で、2027年と28年の生産能力の5割を超える量の販売先を確保した。AI向け需要の高まりを背景に、メモリーでは出荷の前に買い手が決まる取引が広がっている。
SKハイニックスは28日に発表した2026年7〜9月期決算で、大手クラウド事業者を含む主要顧客14社と長期契約を結び、27年と28年の生産能力の5割を超える量の販売先を確保したと明らかにした。
同社によると、長期契約は7月時点で約10件の交渉がまとまっていた。期間は通常5年で、一部の顧客とは延長を協議している。契約には、履行を担保するための預かり金などの仕組みも盛り込んだ。
AI半導体に大量のデータを素早く送り込むHBM(広帯域メモリー)は、27年の出荷分の交渉をすでに顧客と終えたという。
同社は、需要が供給を上回る状態が2030年まで続くとみている。調査会社の予測をもとに、世界の大手クラウド事業者の27年の設備投資は前年から6割超増え、AIデータセンターの市場は30年まで年40%のペースで広がるとした。AIがより長く複雑な作業を担うようになり、計算やデータ処理が急増しているため、メモリーの需要はこれまでの見込みを超えて増えるという。
一方で供給は、製造工程が複雑な最新世代のメモリーほど生産に時間がかかり、工場の新設にも年月を要するため、伸びが限られる。
AI向けの引き合いの強さは、足元の業績にも表れた。7〜9月期の売上高は前年同期比4.3倍の104兆6,155億ウォン(約12兆4,000億円)となり、四半期として初めて100兆ウォンを超えた。
営業利益は同7.3倍の83兆3,338億ウォン(約9兆8,800億円)で、売上高営業利益率は四半期として過去最高の80%に達した。営業利益が過去最高を更新するのは6四半期連続となる。
同社は、販売価格の上昇と付加価値の高い製品の販売増を利益が伸びた理由に挙げる。計算中のデータを一時的に記憶するDRAMは、供給が需要に追いつかない中で平均販売価格が前四半期から20%台後半上がり、出荷量も約1割増えた。売上高が4〜6月期から32%増えたのに対し、製造にかかる費用(売上原価)は12%増にとどまった。増加した売上高の約9割が、営業利益の上積みになった計算だ。
純利益は前年同期比3.2倍の39兆7,756億ウォン(約4兆7,100億円)で、4〜6月期からは58%減った。前四半期は保有する投資資産で約63兆ウォンの利益を計上していたが、7〜9月期は投資資産で約23兆ウォン、為替で約12兆ウォンの損失を出した。
同社は、DRAMのほか、データを長く保存するNAND型フラッシュメモリーを主力とする。台湾の調査会社トレンドフォースによると、4〜6月期のDRAMの世界シェアは24.9%で、韓国サムスン電子に次ぐ2位だった。DRAMを積み重ねて製造するHBMが出荷量に占める比率は、上位3社の中で最も高い。
NANDでは、米インテルからNAND事業を引き継いだ米子会社ソリダイムと合わせて2位で、キオクシアは4位にあたる。米ブルームバーグ通信は、ソリダイムが米国で450億ドル(約7兆1,000億円)規模のNAND工場の建設を米商務省と協議し、来年にも着工する可能性があると報じた。
AIの広がりで、メモリーは数年先の分まで前もって売れる状況だ。米マイクロンも、顧客から前払い金などを受け取る長期契約を26件に増やし、その額は320億ドル(約5兆200億円)に膨らんだ(関連記事:純利益12倍のマイクロン決算——顧客の前払い320億ドル、積み上がるメモリーの「予約」)。国内ではキオクシアが、2026年4〜6月期の純利益を前年同期の46倍に伸ばした(関連記事:純利益46倍のキオクシア決算が映す「転換点」、AIは使われる段階へ)。
https://www.theaitimesjapan.com/sk-hynix-earnings-2026-q3/