
スペースX、AI事業が売上の半分超え——伸びの中心は計算資源の貸し出し
2026.10.22米スペースXの7〜9月期決算で、計算資源を貸し出すクラウドの契約が伸び、AI事業の売上高が全体の半分を超えた。同事業は営業黒字に転じ、全社の最終損益も黒字となった。巨額の投資を続けてきたAI事業が、利益を生む段階に入った。
米スペースXが20日(米国時間)に発表した2026年7〜9月期決算で、AI事業の売上高が全体の半分を超えた。同事業の売上高は前年同期比約9倍の75億6000万ドル(約1兆2000億円)と全体の約52%を占め、衛星通信の「スターリンク」や大型ロケット「スターシップ」などを手がける通信・宇宙事業を抜き、最大の事業になった。
伸びの中心は、データセンターの計算資源を他社に貸し出すクラウドの契約だ。8月に買収したプログラミング支援AIを手がけるカーソルの売上6億800万ドルも加わった。
同社が持つ計算資源は9月末で、データセンターの電力容量に換算して1.7ギガワットと、前年同期の約3倍に増えた。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は決算説明会で、計算資源を2027年末までに13ギガワット以上に増やせるとの見通しを示した。
同社はAIへの投資を膨らませてきた。7〜9月期の設備投資は売上高を上回る195億9300万ドル(約3兆1000億円)で、うち8割強の164億4400万ドルをAI事業に充てた。全社の設備投資は1〜9月の累計で480億6900万ドルにのぼり、10〜12月期にはさらに350億〜400億ドルを投じる見通しだ。
投資は利益にもつながり始めた。AI事業の営業損益は、前年同期の17億2200万ドルの赤字から4億3100万ドルの黒字に転じた。全社の純利益も44億400万ドルと、6月の上場後で初めて黒字になった。ブレット・ジョンセン最高財務責任者(CFO)は、AI事業が「明確な転換点」を迎えたと述べた。
マスク氏は、大手クラウド企業など多くの企業から計算資源の貸し出しを求められていると説明した。すべてに応じれば「何倍も貸し出せる」ほどで、短期契約の更新では単価も上がっているという。世界的なAIの計算資源の不足が、計算基盤を持つ同社の収益を押し上げている。同社は2027年1〜3月期の売上高を、7〜9月期の2倍以上の330億〜370億ドルと見込む。
電気自動車(EV)大手の米テスラのCEOも務めるマスク氏は説明会で、両社がそれぞれ設けた特別委員会で合併を検討していることも明らかにした。AIのソフトや半導体の設計、ロボットなどで協力できる利点は大きいとしている。
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